2.コンテナ貨車運用支援システム

 コンテナ貨車は1両単位でどの線区でも使用できるため、検査区を限定することができず、効率的な検査計画の作成が困難でした。定期検査施行のために検査期限間近の貨車を列車から抜き取る必要がありますが、約8千両ある貨車の動きを予測することは困難なため、現在は列車到着時に各駅で各貨車の検査期限をチェックして抜き取っています。しかし、各日、各駅での抜き取り両数が安定せず、検査区の業務量のばらつきが大きいため、補充用の予備車を余裕を持って配置して対応しています。
 この問題を抜本的に解決するため、@貨車運用計画作成業務をシステム化し運用計画をコンピュータで管理する、A使用実績データと運用計画データから各々の将来の動きを予測するための貨車使用予定表を作成する、B数理的な最適化手法により検査区の業務量の平準化を目的とした各貨車の検査計画を提案する機能を持つ、業務支援システムのプロトタイプを開発しました(図1)。
 実際の貨車運用計画データにもとづいてシミュレーション試験を行い、検査日の前倒しによる検査回数の増加を抑えつつ、各検査区の業務量のばらつきを減らすことで、予備車を削減できることを確認しました(図2)。本システムを活用することで、予備車数の削減などの効果が期待できます。