7.自動沈下補正まくらぎ

 バラスト軌道の構造変化箇所やレール継目部等軌道が不同沈下しやすい箇所では、しばしば浮まくらぎが発生し、衝撃的な荷重によってバラストが破砕したり、噴泥が発生するなどして軌道状態が急激に悪化します。しかし、このような箇所のバラスト軌道の不同沈下を防止することは困難であり、簡易で効果的な浮まくらぎ対策が求められています。そこで、バラストが沈下した分だけまくらぎ自身が自動的に高さを増加して浮まくらぎの発生を抑制する、自動沈下補正まくらぎ(図1、図2)を開発しました。
 自動沈下補正まくらぎには、通常まくらぎタイプのS型と、短まくらぎタイプのSS型があり、両者に内蔵されている自動沈下補正装置は、図3に示すような簡易な動作原理で浮まくらぎを効果的に抑制します。未対策軌道に比べて軌道沈下量が、直結軌道とバラスト軌道の境界部でS型により1/4以下(図4)、レール継目部でSS型により約1/2(図5)になることを、実物大軌道模型を用いた繰返し載荷試験で確認しました。