2.床下機器の高減衰弾性支持による車体振動抑制手法

 床下機器を高減衰部材で弾性支持することで、乗り心地への影響の大きい車体弾性振動を低減するとともに、機器が発生する振動を車体に伝えにくくする「制振機器吊り」を開発しました。自動車や建設機械に使われる液封マウントをベースに吊り金具を製作し、通勤形車両相当の試験車両の2台の床下機器(一方は振動発生機能付、他方はダミー)の支持部に取り付けて車両試験台における加振試験を実施しました(図1)。その結果、複数の車体弾性振動モードに対する同時低減効果とともに機器からの振動を絶縁する効果を持つこと(図2)、床下機器自体の振動増大はないこと(図3)など、開発した制振機器吊りの有用性が確認できました。本手法はメンテナンスフリーで軽量、簡便な車体弾性振動低減対策で、様々な車種に適用できます。