2.発生バラストを活用した路盤改良工法

 噴泥を伴う軟弱な路盤では、路盤を改良して新しいバラストに交換しますが、従来は発生バラストを搬出して処分する必要がありました。そこで、発生バラストの再利用により環境負荷を軽減するとともに、施工コストを削減できる新しい路盤改良工法を開発しました(図1)。この工法では発生バラストの搬出に加えて路盤の締固めが不要になるので、作業時間を大幅に短縮できます。
 開発した路盤改良工法では、発生バラストに急硬性の2液式グラウト材を注入して路盤改良層を構築します。グラウト材の注入においては、特殊な装置や技術を必要とせず、容易に作業できる手順を確立しました(図2)。発生バラストは、道床交換を必要とするような劣化した状態でも使用できます。
 実物大軌道模型の繰返し載荷試験を行った結果、まくらぎの沈下量を大きく低減できることを確認しました(図3)。さらに、現地試験施工を行い、施工性を検証するとともに、路盤改良後は軌道保守量が大幅に低減することを実証しました。