6.信号保安設備の統合論理設計の効率化手法

 信号保安装置には、連動装置、踏切制御装置、ATSなどがあり、相互に関連して動作しています。各装置の設備は、現場に分散配置され様々な形態をとるため、個別の設計が必要となります。信号の論理設計は多大な労力がかかることから、効率化が求められてきました。これまでに、連動装置の論理設計(連動図表)の効率的支援が実用化されており、これを基盤として統合的な効率化設計手法を検討しました。
 図に提案するシステムの構成と作成手順を示します。連動、踏切、ATS-Pの制御図表は、作図形態は異なりますが線路図や進路のデータやその作成機能が共通であり、他の制御図表の参照も必要なことから、共通の統合信号論理DBを定義しました。連動DBでは、踏切やATS-P制御図表の作成に必要な列車走行基盤データ(閉そく長、現示系統、勾配など)を追加します。踏切やATS-Pの制御図表の作成は、この連動図表を参照することで効率的に行うことができます。また、結線図の自動生成については、既に連動結線図において実現のための方向付けが見出されており、これを踏切結線図に適用して図のように自動生成が可能なことを確認しました。さらに、自動生成した結線図によって、装置の動作状態を確認できる結線シミュレータの実現見通しも得られました。