8. 踏切衝突事故における乗客被害を軽減する車体の安全性評価手法

  • 踏切衝突事故における乗客被害と、車体衝撃加速度積分値の間に相関があることを明らかにしました。
  • 車体衝撃加速度積分値を利用した指標は、踏切衝突事故時の乗客被害を軽減する車体構造の設計に活用できます。

踏切衝突事故などにおける乗客被害軽減は重要な課題です。車体の設計段階において、障害物との列車衝突解析により車体の衝撃加速度を算出することは可能ですが、乗客被害を評価することは困難でした。そこで、踏切衝突事故時の客室内の衝撃加速度を検証するため、列車衝突速度(30.130km/h)をパラメータとして、最大積載量の土砂を積んだダンプカー(総重量22トン)への衝突解析を実施しました(図1)。ここで得られた様々な前後方向の車体衝撃加速度波形を入力として、ロングシートおよびクロスシート着座乗客の挙動解析を実施して傷害値を算出しました(図2)。これらのうち、乗客の傷害値が限度値に近かった車体衝撃加速度を積分して整理すると、限度値を超過するか否かについて図3のように明確なしきい値があることが分かりました。さらに、乗客が仕切板または前席に衝突する時刻における積分値は、乗客の傷害値とほぼ比例の関係にありました(図4)。この結果から、乗客被害を抑えるためには、車体衝撃加速度積分値を指標とした評価が有効であることが明らかになりました。これらは、衝突安全性向上のための車体設計指針の策定に活用できます。

図1 列車衝突解析例(衝突速度54km/h)
図2 着座乗客の傷害評価
図3 車体衝撃加速度積分値波形とロングシート着座乗客被害の一例
図4 車体衝撃加速度積分値と頭部傷害値の関係の一例
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