16. データ伝送周波数帯域まで対応する誘導予測シミュレーター

  • データ伝送で使用される1MHz以上の帯域まで、誘導電圧や誘導電流を定量的に予測できるシミュレーターを開発しました。
  • 設備条件を詳細に考慮することにより計算精度が10%向上しました。

鉄道沿線に敷設される通信線には、き電電圧やき電電流により、誘導電圧や誘導電流が発生します(図1)。これらの誘導現象による感電や通信品質の劣化を防ぐための対策は、誘導予測計算の結果に基づいて実施しています。しかし、従来の誘導予測計算の手法では、音声周波数帯域しか扱えず、また、ケーブル構造や土木構造物中の鉄筋等の影響は、計算値を補正する等により誘導発生量を大きめに見込んでいました。

そこで、音声帯域以上の周波数に対応でき、かつ多数の導体を考慮できる誘導予測シミュレーターを開発しました。周波数が高くなるにつれてモデルを細かく分割するとともに、大地の影響や導体の表皮効果を考慮したパラメータ計算に適切な近似式を採用する新しい手法により、予測周波数を音声帯域の4kHzからデータ伝送帯域の1MHz以上まで拡大しました(図2)。また、従来は数十本までであった導体数の制限を無くし、計算負荷の大きなモデルに対して並列処理を導入して計算速度を向上させることで、設備条件を詳細に考慮できるようになり、予測精度が10%程度向上しました(図3)。

電力、有線通信設備の新設や更新に際して、通信線に対する誘導電圧や誘導電流、誘導対策の効果を定量的に予測することが可能です。また、本シミュレーターは、レールに対する誘導電圧や誘導電流の予測もできます。

図1 電磁誘導や静電誘導の発生
図2 データ伝送帯域まで可能な予測計算
図3 設備条件を詳細に考慮した予測計算
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