17. 300m級超電導き電ケーブルの製作

超電導き電ケーブルを実用化するためには、鉄道路線における敷設方法、冷却時に発生するケーブルの熱応力の緩和方法、超電導状態を長距離に渡って保持するための冷却方法などの課題を解決する必要があります。

所内試験線に超電導き電ケーブルシステム(図1)を敷設し、電車の走行試験を行いました。本システムは、一き電分岐区間を想定し全長は310mで、定格電流は1000Aです。実用化を意識し、敷設には、軌道横断部や踏切横断部を設けるとともに、冷却によりケーブルに発生する熱応力を緩和するための構造を取り入れています。

電車走行は、超電導き電ケーブルの耐電圧などの電気的性能や、冷却システム(図2)の性能を確認したうえで実施し、走行時の通電性能を確認しました。超電導き電ケーブルは、電気抵抗ゼロで送電可能なため、電圧降下対策や変電所負荷軽減対策などへ適用できます。今後は、現地試験などを取り入れ、実用化に向けた技術構築を進めていきます。