1. 高性能早期警報用地震計

鉄道に対する地震時の防災・減災性能強化への要望の高まりから、単独観測点における早期地 震諸元推定の精度と即時性、ならびにノイズ識別の性能を向上した早期警報用地震計を開発しま した(図1)。

地震諸元推定に関して、地震検知ならびに震央距離・震央方位・マグニチュードの各推定手法 を改良しました。既往地震の記録データを用いたシミュレーションの結果、推定精度は現行以上 となることを確認しました。最短の警報出力時間は、現行の基本2 秒から1 秒へと短縮できます。 また、地震動とノイズとなる列車振動を識別するため、現行の振幅特性に加えて周波数特性を考 慮する手法を開発しました。この手法を用いたシミュレーションの結果、地震動と列車振動の識 別性能は現行と比較し7.4% 向上することを確認しました。加えて、開発した地震計を用いて地 震動と列車振動の識別に着目した実地試験を行ったところ、観測された列車振動データの99.9% 以上が正しくノイズと識別される結果を得ました(図2)。さらに、地震計の稼働試験では、長 期に渡り安定して動作することを確認しています。

早期地震警報の精度と信頼性が向上し地震時の安全性を改善できることから、本地震計の導入 を提案します。2016 年度末を目途に、地震計メーカー等と製品化を進めています。

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