2. 地震時に揺れやすい構造物の抽出法

  • 車両走行安全性が低下する弱点箇所を長大路線内から抽出する手法を提案しました。
  • 大規模観測や調査が不要で、設計図書等の情報のみで利用できます。
  • 硬い地盤上の背の高い構造物の事例では、減衰の推定精度が約50%向上しました。
  • ダンパーによる耐震補強を行う際の設計目標を算定できます。

これまで十分な観測記録が無かった構造物の減衰の特性を把握するため、136箇所の実構造物の振動観測を実施し、構造物と地盤の固有周期比から振動減衰を推定する推定式を導きました(図1)。背の高い構造物が硬い地盤上にあるような場合(図2)、耐震設計で仮定する減衰5%に対して減衰の推定精度が50%程度向上しました。次に、構造物と地盤の固有周期をパラメータとし、図1の実測減衰を設定した応答解析を行い、構造物が相対的に揺れやすい・揺れにくい条件を表す判定図(図3)を作成しました。この判定図は大規模な観測等を行うことなく、構造物高さや地盤条件など設計図書等による情報で利用可能です。

さらに、構造物が揺れやすい弱点箇所では車両走行安全性の低下も想定されることから、「鉄道構造物等設計標準 変位制限」の規定を満足させるために必要な振動減衰量の算定図を作成し、耐震補強を行う際の設計目標を明確にしました(図4)。

図1 実測に基づく減衰の推定図
図2 低減衰で揺れやすい条件の例
図3 構造物の揺れの判定図(5%減衰基準)
図4 弱点箇所への補強減衰量の算定図
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