3. 狭あい地における土留め壁の耐震補強技術

  • 地山補強材を急勾配化・長尺化した耐震補強技術を開発しました。
  • 無補強時と比較して、耐力が2倍以上となることを確認しました。
  • 土留め壁への耐震補強工法を選定する方法を取りまとめた設計マニュアルを作成しました。

旧国鉄の標準的な設計で構築された土留め壁は全国に20万か所以上あり、大規模地震時の崩壊を防ぐための耐震補強として、地山補強材を水平に近い方向に打設して土留め壁の安定性を向上させる技術が普及しています。ところが、特に都市部で、土留め壁の天端の近くに建築物がある場合は、用地境界の制約から補強に必要な補強材の打設長さを確保することが難しく、補強の必要性が高いにも関わらず従来技術での補強は困難でした。

そこで、狭あい地に対応可能な小型施工機械の活用により地山補強材の打設角度を急勾配にし、補強材の打設長さを確保する補強技術を開発しました(図1)。1/10の縮小模型実験の結果、対策を行わない場合には400galの加振で崩壊した土留め壁が800galの加振でも壁高さの4%程度の水平変位にとどめられることを明らかにしました。これらの実験結果より、開発技術は従来技術と同等以上の耐震性が確保でき、無対策時と比較して耐力が2倍以上となることを確認しました(図2)。また、急勾配で打設した補強材による曲げ抵抗を考慮した補強設計法を提案するとともに、土留め壁への耐震補強工法を選定する方法を取りまとめた設計マニュアルを作成しました。

図1 開発技術と従来技術との比較
図2 各加振終了後の残留水平変位の比較
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