16. スラブ軌道てん充層の劣化箇所抽出手法と補修方法

  • てん充層の劣化箇所を軌道検測データから抽出する手法を提案しました。
  • コストが従来の約40%の材料を用いたてん充層上部の隙間補修方法を開発しました。
  • 広範囲に劣化したてん充層の補修方法を開発しました。てん充層全面打ち替えの50%以下のコストで、てん充層のリニューアルが可能です。

スラブ軌道では凍害等が原因で軌道スラブとてん充層の間の隙間や側面から数十cmに及ぶ広範囲な劣化が生じることがあり、これを補修するには大きな手間がかかります。劣化による支持状態の影響は長さ5mの軌道スラブ毎に現れます。この特性を利用し、てん充層の劣化箇所を軌道検測車のデータから求めた5m弦高低変位により効率的に抽出する手法を提案しました(図1)。

隙間の補修方法として、樹脂を注入する方法がありますが、材料コストと施工性の観点から、あまり使われていません。そこで、材料コストが従来の40%程度の高流動CAミルクを使い、砂質材料の型枠に流し込む隙間補修方法を開発しました(図2)。また、広範囲な劣化に対して、貫入棒を打撃する試験で劣化範囲を把握し、ウォータージェットで劣化範囲を取り除いた上で、耐凍害性の高い補修用CAモルタルを充填する大断面補修方法を開発しました(図3、図4)。従来工法であるCA モルタルの全面打ち替えと比較して、50%以下のコストでてん充層のリニューアルが可能です。

これらの隙間補修および大断面補修を営業線で施工した結果、列車が通過した際に生じる軌道スラブの動的変位(あおり)が1/10以下に改善することがわかりました(図5)。

図1 高低変位と軌道スラブ変位の関係
図2 隙間補修方法
図3 広範囲な劣化の例
(表面の状況)
図4 ウォータージェットによる施工
図5 大断面補修による動的変位の改善
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