24. 高速用リニアレールブレーキの設計手法と性能検証

  • 非接触式で、停電時にも動作可能な、高速車両用の小型・軽量なリニアレールブレーキの設計手法を提案しました。
  • 模擬試験とシミュレーションにより、最高速度付近からの停止距離を、粘着 ブレーキのみに比べて約10%短縮できる見通しが得られました。

鉄道の高速化を図る場合、車輪とレールの摩擦力(粘着力)が低下する高速走行時のブレーキ力の増強が望まれます。その目的に合う非接触の非粘着ブレーキとして、リニアレールブレーキを開発しています。このブレーキは、レールとの間に働く電磁的な作用を利用して、励磁に必要な電力を自己発電で賄いながらブレーキ力を発生するため、悪天候時や停電時でも安定した動作ができます。高速走行時に重点を置き、小型・軽量化を図った設計手法を提案しました。

本設計手法では、粘着力によるブレーキ力が低下し、停止距離への影響が大きくなる高速走行時のブレーキ力の確保に的を絞り、低速走行まで使用する従来の設計手法よりも、磁束を通すための鉄芯を大幅に減量しました。詳細な電磁界数値解析を行うとともに、構造解析により補強支持構造を考案し、鉄芯を従来比で約60%まで減量しました。

上記の設計手法に基づいて、軌条輪試験用プロトタイプ(図1)を試作しました。停電時を模擬した試験の結果、高速域においては、軽量化を図らない従来の設計と概ね同等のブレーキ力が得られることを確認しました(図2)。この試験データを用いて、粘着ブレーキと併用した場合の最高速度付近からの停止距離についてシミュレーションを行ったところ、粘着ブレーキ単独の場合(乾燥時の粘着限界で動作させた場合)よりも最大で約10%短縮できる見通しが得られました。

図1 リニアレールブレーキ基本構成のイメージ(上)と軌条輪試験用プロトタイプ(下)
図2 ブレーキ力の試験結果
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