25. 車内温熱環境の快適性予測手法

  • 乗客の生理・心理状態と適合性の高い温熱快適性予測手法を提案しました。
  • 優等・通勤車両内での体感実験により、温熱快適性予測値と乗客の体感は、0.8を超える高い相関を示すことを確認しました。

より快適な車内温熱環境の実現のためには、乗客の快適性を適切に評価・予測することが重要です。建物室内用の温熱快適性予測手法はISO7730で既に規定されていますが、鉄道車両用には未だ確立された方法はありません。また、鉄道車両内は建物室内と比べて温湿度変動が大きいという特徴があります。さらに、温熱快適性の季節差も重要な要因となります。そこで、これらの要因を考慮した、鉄道の車内温熱環境の快適性予測手法を提案しました(図1)。

提案手法は、人の生理状態予測と心理状態予測の二段階で構成されます。生理状態予測部は、人の体温調節機能を実装した人体熱モデルにより、車内温熱環境下での乗客の皮膚温や発汗等の温熱生理状態を予測します。この際、乗客の服装や姿勢の影響も考慮することができます。心理状態予測部は、各季節で実施した鉄道車両内での体感実験データ(温度範囲20℃〜32℃、延べ約350人)に基づく統計モデルにより、乗客の温熱的な快適性(不快度や不満足率)を予測します。

本手法による温熱快適性の予測値と乗客を模擬した被験者の体感は、0.8を超える高い相関を示しました(図2、図3)。

本手法により、乗客の快適性の観点からの車内空調の定量評価が可能となります。

図1 提案した車内温熱環境の快適性予測手法の全体像
図2 提案手法による温熱環境に対する不満足率の予測例
図3 提案手法による快適性予測と実測の比較
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