4. 制震ダンパーによる地震対策法

  • 河川橋脚等で補強が困難な構造物に適用可能な制震装置の設計法を開発しました。
  • 補強要否を判定する設計線図により誤差約10%で制震効果の予測が可能です。
  • 設計実務に適用可能な制震装置の設計手引きと計算例を提供します。

河川橋脚などにおいて、周辺環境等の制約によりコンクリート巻き立て等の一般的な耐震補強の実施が困難な箇所では、ダンパーのような制震装置を用いることで、橋脚上部に対する部分的な工事のみで大幅な耐震性の向上が可能です。しかし、これまで構造物に制震装置を適用する際の設計法は整備されていないため、個別に多数の詳細な動的解析を実施する必要があり、多大な時間と労力を必要としていました。

そこで、こうした詳細な動的解析を行うことなく、制震装置の設計荷重や構造物の損傷程度を算定可能な設計線図を提案しました(図1)。この設計線図は、構造物の固有周期、降伏震度、地盤条件、地震動最大加速度など、設計で得られる基本特性から、構造物を軽微な損傷に留めるために必要な制震装置の特性を算定できます。また、この設計線図の精度を検証するため、実橋りょうを対象として、構造物を軽微な損傷に留めるための制震ダンパーの必要荷重を算定して動的解析を実施しました。その結果、橋脚基部の応答(図2)は軽微な損傷の限界値に対して0.90倍となり、設計線図により実構造物を対象とした制震ダンパーの設計が可能であり、構造物の損傷予測の誤差は約10%であることを確認しました。さらに、この設計線図をはじめ、制震補強が基礎の損傷に与える影響や取付部の照査法など、設計上のポイントをまとめた設計手引きと計算例を作成しました。これにより、補強困難な箇所への耐震補強法の一つとして制震装置の導入を提案しました。

図1 制震装置の設計線図と利用法(L2地震動スペクトルII・G3地盤)
図2 動的解析による設計線図の検証
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