12. 軌道変位の局所的な急進箇所の抽出と予測法

  • 高頻度に検測した軌道変位波形同士の位置補正を±25cm以内で精度良く行う手法を開発しました。
  • 位置補正後の波形から軌道変位の局所的な急進箇所を把握し、15日先までの推移を誤差±1mm以内で予測する手法を開発しました。

線路下の埋設物の破損等による路盤陥没や、軌道の保守作業時におけるバラストのつき固め不足などによって、軌道変位が局所的に急進し、緊急の保守投入が必要となることがあります(図1)。このような局所的な急進の予兆を把握するために、鉄道総研が開発した慣性正矢軌道検測装置を営業車両に搭載するなどして高頻度に軌道検測を行う方法があります。しかし、日々の検測波形同士は数mの位置ずれが生じることがあるため、測定日の異なる検測波形の差を求めても急進箇所を自動的に抽出することが困難でした(図2)。そこで、高頻度検測の特性を活用し軌道変位の急進箇所を自動抽出するために、位置補正を行う波形の位相をずらしながら波形間の相関係数が最大となる位相を探索して位置ずれを±25cm以内に補正する手法を開発しました。さらに、測定日の異なる検測波形の差によって軌道変位の急進箇所を自動抽出する手法を開発しました(図3)。このようにして抽出された急進箇所について、検測の度に軌道変位進みをベイズ推定により逐次更新することで将来の軌道変位の推移を予測する手法を開発しました。その精度は15日先までの推移で概ね誤差±1mm以内であり、急進箇所を早期に把握し、適切な保守を行うことが可能になると考えられます(図4)。なお、この新たな位置補正手法は、軌道保守管理データベースシステム「LABOCS」に新機能として実装しました。

図1 軌道変位の局所的な急進の例
図2 従来法による位置補正例
図3 相互相関法による位置補正と急進箇所の抽出例
図4 ベイズ推定による逐次更新予測例
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