24. 盛土の不飽和状態を考慮した耐震診断法

  • 盛土内部の土は降雨後も間隙に水と空気が混在した不飽和状態を維持すること、および飽和状態より強度が高いことを、実測により明らかにしました。
  • 盛土の不飽和状態を考慮した耐震診断法を提案しました。
  • マニュアルを作成し、試設計で耐震補強工事費の最大20%削減を確認しました。

近年盛土の耐震補強が進められるようになってきていますが、既設盛土の耐震診断・補強設計においては、一般には土の間隙が水で満たされた飽和状態での力学試験を行いその結果に基づいた強度を設計計算で用いるため、耐震性を過小に評価し、過大な補強設計となることがあります。

そこで、降雨の影響を受ける盛土内部の含水状態を実盛土の長期計測により検証しました。盛土内部では間隙に水と空気が混在した不飽和状態が維持されることや、浸透流解析によって挙動を再現できることを確認しました(図1)。また、不飽和状態を考慮した盛土材料の力学試験を多数実施したところ、飽和状態での試験と比較して粘着力が増加することがわかりました(図2)。

これらの成果を踏まえて不飽和状態を考慮した盛土の耐震診断法を提案し、活用できる前提条件、調査や室内土質試験の実施方法、耐震診断の実施方法を取りまとめた手引きを作成しました。提案手法をもとに既設盛土の耐震診断・補強設計を行ったところ、必要となる補強材長が短くなることで、全体の工事費を現行設計に比べて20%削減できることがわかりました(図3)。

図1 降雨後の鉄道盛土内部の飽和度分布
図2 不飽和土の粘着力
図3 工事費比較
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