27. トンネル火災時の熱気流予測シミュレーション

  • 熱気流の予測シミュレーション手法は、熱気流層の厚さを誤差10%、温度上昇量を誤差20%で予測可能です。
  • 火災時の避難誘導方法の検討や、地下駅等における換気設備の設計用ツールとして活用できます。

トンネル内で車両火災が発生した際の避難誘導方法を検討する場合、最大の避難阻害要因である熱気流(煙)の流動性状を把握し、伝播速度や温度、煙の降下位置などを予測することが重要です。地下鉄(都市トンネル)や青函トンネルなどでは火災時に換気装置による強制換気が行われるため熱気流の流動方向は確定していますが、換気設備のない通常の山岳トンネルでは様々な要因(火源位置や勾配、自然風など)の影響を受け変化します。そこで、このような山岳トンネルにおける火災時熱気流の予測シミュレーション手法を開発しました。

このシミュレーションは汎用流体解析ソフトを使用したもので、温度変化や発熱源を考慮することが特徴です。火災時のトンネル内流れは急激な温度変化を含む乱流であるため、正確に計算することが難しい問題です。そこで、新たに開発した模型実験装置(図1)による実験結果と計算結果を比較することによって、火源やトンネル壁面からの吸熱に関する計算モデルを構築しました。その結果、数値計算の温度上昇量は実験結果より低い傾向が見られる(他の測定点も含め最高温度の誤差最大20%程度)ものの、熱気流層の厚さは誤差10%以内でほぼ一致しており(図2青矢印)、熱気流の流動性状を概ね予測できることが確認できました(図3)。

図1 計算精度検証用の1/10模型実験装置
図2 断面中央の高さ方向の温度分布
図3 熱気流予測シミュレーションの例
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