女性職員座談会(管理職編)

参加者プロフィール

平成元年入社 情報管理部(当時)

平成3年入社 信号・情報技術研究部(当時)

平成3年入社 鉄道力学研究部(当時)

平成6年入社 人間科学研究部(当時)

人事課長

本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。まずは、皆さんが就職活動に際して、鉄道総研を志望された理由をお聞かせください。

学生時代の指導教官が総研OBで、女性にも働きやすい職場だと聞いていました。実際に総研を訪れ、女性の先輩にお会いして、その思いは強くなりました。また学生時代の専門である心理学を活かした仕事をしたいと考えていましたが、大学に残ることは考えていなかったため、自ずと研究所が有力な選択肢となりました。一方で就職活動では、色々な会社を回っていましたが、当時の研究テーマを記したレポートを総研職員の方に見ていただいたところ興味を示していただいたこともあり、総研を志望しました。

私も専門の心理学が活かせる職場であることと、総研から女性も含め若い研究者を採用したいという前向きな姿勢を感じたので、総研への就職を決めました。

就職活動に際しては、研究開発職を希望しておりました。折しも就職前に総研を見学する機会に恵まれましたが、研究環境の素晴らしさに心惹かれたので、就職に際して、あまり迷うことはありませんでした。

私も学生時代の指導教官が総研OBで、かつ当時の研究室長が大学の非常勤講師をされていたこともあり、総研を身近に感じていました。一方で就職活動に際しては、必ずしも研究職に絞っていたわけではありませんでしたが、総研見学時に先輩方がご自身の研究について楽しそうに語っていたことに好印象を持ちました。


では実際に総研に就職されてから、印象は変わりましたか? あるいは、入ってみて分かったことはありますか?

入社前は大学での研究テーマの延長で研究ができると思っていました。しかし、実際に仕事として研究を進めるためには、部内、部外の人達との色々な調整や交渉が必要になると、後になって分かりました。また学生時代と異なり、周囲に自分と同じ専門の人がいないという焦りもありました。でも、逆にそうした環境下だからこそ、色々な分野の方と一緒に研究を行い、出向先など鉄道以外のフィールドでデータを採ることもできました。

研究所ということもあり、仕事を進める上で男女差を意識したことは、殆どありませんでした。これは、周囲が温かく見守ってくれたお蔭です。また当時から他のJR会社にも、新しい分野を開拓しようという志を持った女性が数多く就職されていましたので、励みになりました。

学生時代の専攻は溶接でしたが、入社後の研究は解析など基礎研究が中心になりました。そのため研究を進める上で不安はありましたが、研究環境が良かったことと、自己啓発に対する周囲の理解や環境が整っていたので、乗り越えることができました。私は総研における初の外国人職員でしたが、周りの方がよくサポートしてくださいました。

私は育児関係の制度がそれほど整っていない時期に、出産と育児を経験しました。制度を整えていっていただく中で、当時は周りに対して申し訳ないような気持ちを抱くこともありました。しかしその後、優秀な職員のみなさんが制度を活用して仕事と育児を両立させながら研究成果をあげている現状に鑑みると、これらの制度は個人のためのものではなく、総研の財産といえるものなのだろう、という気持ちを今では持っています。

総研というより、世の中全体の制度が整っていない時期に、仕事と育児を両立させたことは、ご本人の努力によるところも大きかったと思います。ただ、総研には新しいものを受け入れる土壌があるのも、確かです。

総研は本当に職員の話を聞いてくれる組織なので、今後も様々な制度がより良くなっていくと思います。

確かに総研には、立場に関係なく、合理的な要求であれば話を聞いてくれる土壌があると思います。


それではお仕事をされる上で、どんな時に達成感や、やりがいを感じるかを教えてください。

やはり研究成果は実用化されて、皆さまに使ってもらうことに意義があります。そして、ある程度成果が出せるようになると、個人として頼られるようになり、やりがいを感じます。また、私が担当している安全の分野に関して言えば、鉄道の業界は話を聞いてくれる土壌があり、その点でもやりがいを感じています。

現在は知的財産という、入社当時とは違う分野を担当していますが、総研の研究開発成果を保護し、広く利用していただくようサポートすることは大切な業務だと考えています。また、部内及び部外との交渉を経て、着地点を見出していく面白さがあると感じています。

鉄道の現象解明には、基礎研究が欠かせません。基礎研究にはある程度の時間がかかりますが、積み上げた成果を基に、今は応用研究に携わる方々とも一緒に研究を進めることができるようになり、今までの努力が報われたという達成感があります。

情報分野は、世の中の動きの速さの影響を大きく受けます。その中で自分は何をすべきか悩んだ時期もありましたが、悩んだ結果として、自分が興味を持った研究を進めることができました。今は配属当時の研究とは異なる分野の研究室長をしていますが、その自分自身で興味を持って進めた研究を受けてのことですので、大いにやりがいを感じています。


では、管理職になられて、業務の進め方や心境に変化はありましたか?

自分自身ではあまり変わらないつもりでいましたが、やはりメンバー同士の情報共有に努め、風通しの良い研究室づくりを心掛けています。

私はメンバーの状況を把握しつつ、個々人の良さを業務に活かすように心がけています。

研究指導に際しては、研究の意義や背景を必ず説明して、若手職員が目的意識を持って研究に打ち込めるよう配慮しています。やはり研究を進めていく上で、ターゲットとなることが明確でないと、モチベーションも上がらないので。同時に、常に若手に声を掛け、また若手も声を掛けやすい管理者になろうと、心掛けています。
また、仕事と育児の両立を通じて、色々な状況下で臨機応変に対応できるようになったことは、マネジメントの上でも役に立っています。

私は、今の研究室では境界領域ともいえる分野の研究をしていることもあり、管理者としての仕事と研究者としての自分の仕事を峻別し、メンバーが気持ちよく研究に打ち込める雰囲気づくりを心掛けています。


この先、取り組んでみたいことはありますか?

やはり今、自分が携わっている分野の活動領域を広げたいですね。


就職活動に臨まれている学生の皆さんに、メッセージをお願いします。

総研には、こちらの要望を受け入れてくれる土壌があります。

総研は新しいことに取り組める環境が整っています。ぜひチャレンジしてください。

研究が好きで、長く働くことを考えている方は、ぜひ総研の門を叩いてください。

自分が何をしたいか、何が面白いと思えるか、ということが明確になっていて、研究を頑張ろうという志がある方にとっては、総研は素晴らしい職場だと思います。

今日は長時間、ありがとうございました。