第9回鉄道総研講演会

<微生物によるPCB分解>

小穴 孝夫

 小穴 孝夫 (こあな たかお)

  (財)鉄道総合技術研究所 基礎研究部 環境生物工学研究室長


 トランスやコンデンサの絶縁油として使用されたポリ塩化ビフェニル(PCB)は

燃焼すると猛毒のダイオキシンを発生するが、化学的に安定していることから、燃焼

に替わる処理法がなかった。しかし最近容器の耐用年数が過ぎつつあることから、新

しい処理法の開発が急がれるようになり、化学処理をはじめとするさまざまな分解法

が開発されている。                             

 中でも我々は紫外線照射と微生物処理とを組み合わせることにより、排水基準値で

ある3ppb以下にすることに成功した。微生物による処理は、ダイオキシンをはじ

め副生成物が一切できないことが特徴であり、PCBの「無害化法」としては唯一の

ものとして注目されている。今回、この技術の概要と、実用化に向けての取り組みに

ついてお話したい。



講演会トップページへ


RTRI ホームページ
Copyright(c) 1996 Railway Technical Research Institute