最初に、次世代に向けた鉄道の研究開発の目標として「信頼性の高い鉄道」、「コストのかからない鉄道」、「魅力的でサービスの良い鉄道」、「環境に優しい鉄道」などについて車両技術に関する取り組み方を述べる。また、最近、乗心地を損なわずに曲線の走行速度を向上して目的地までの所用時間を短くするため、振り子台車や操舵台車が広く採用されるようになっているが、鉄道総研では車体重心高さや車体傾斜中心高さを徹底的に低くした新しい車体傾斜機構、リンク式輪軸操舵台車、新幹線電車用車体傾斜装置の開発などを提案しており、ここでは、こうした振り子台車や操舵台車の新しい技術や今後の展望を紹介する。

岡本　　勲　（おかもと　いさお） （財）鉄道総合技術研究所　車両技術開発事業部長