第11回 鉄道総研講演会

乗心地向上のための制御技術

佐々木 君章


 鉄道車両の軽量化・高速化に伴って、空力振動や弾性振動などの乗心地に対する影響がクローズアップされてきている。制御を前提にした制振システムは制振力発生の自由度が高いため、従来のばね−ダンパ系の最適化では抑制しにくいこのような振動に対して有効な方策である。この代表的なものとして、アクティブサスペンションやセミアクティブサスペンションがあり、鉄道車両ではセミアクティブサスペンションが実用期に入ってきている。また、振り子車両などの姿勢制御も制御による乗心地改善の例といえる。
 制御によって乗心地を向上する技術について、鉄道車両分野における現況と今後の展望を述べる。



佐々木 君章 (ささき きみあき)
(財)鉄道総合技術研究所 車両技術開発事業部 主任技師



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