平成14年度 文部科学大臣賞【研究功績者】

受賞業績:土路盤上スラブ軌道用支持構造に関する研究
受 賞 者:安藤 勝敏(あんどう かつとし)
 
【業績】
  スラブ軌道は、鉄道の高速走行性と保守費節減に優れているため、高速鉄道の標準軌道として新幹線等のトンネル内および高架橋上に敷設が進められてきたが、盛土等の土路盤上においては技術的な観点から十分な性能を発揮できなかった。
  氏は、スラブ軌道の特性を活用するため、路盤に要求される曲げ剛性およびばね係数等の構造的条件を各種試験軌道を用いて実験・解析から、路盤がスラブ軌道を介して受ける荷重変動および温度変化を剛性方程式に導入した設計モデルを構築した。これを基に、マイナー則を用いて高速軌道として具備すべき合理的な荷重分散性、走行安全性および耐久性を有するコンクリート路盤構造を開発した。これにより、土路盤上で走行性、メンテナンス性に優れたスラブ軌道が実現した。
 本研究成果は、走行安定性、快適性に優れているため、北陸新幹線(高崎〜長野)の土路盤区間において採用されるとともに、現在建設中の整備新幹線においても施行が進められており、今後、利用者への快適性の提供、合理的な軌道保守管理に寄与することが期待されている。

 
【受賞者からのコメント】
  土木技術者の長年の夢であった「スラブ軌道の土路盤上への適用」が実現され、整備新幹線等で本格的に採用されるようになりました。ご指導いただいた方々に心から感謝申し上げます。今後は、技術の普及を図るとともに、更に快適で低廉な構造を目指したいと考えています。


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