鉄道総研での「日中韓鉄道研究セミナー」開催について

平成14年10月11日
財団法人鉄道総合技術研究所

 財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)において、10月9日から11日にかけて、中国鉄道科学研究院(CARS)、韓国鉄道技術研究院(KRRI)、鉄道総研の三ヶ国の研究者が集まり、「日中韓鉄道研究セミナー」が開催されました。
 これは、もともと三ヶ国の鉄道研究機関が、日中、日韓、中韓の二者間でそれぞれ個別に行っていた共同研究について、それらの成果を三者合同で発表することにより、技術交流を図ることを目的として発足したものであり、2001年のKRRIにおける第一回の開催に続き、今回が二回目の開催となりました。
 今回、CARSからは王忠文副院長以下7名、KRRIからは宋達鎬院長以下19名の参加がありました。初日の9日には共同研究の進め方に関する全体会議および二者間の個別会議と所内見学が行われました。10日には技術講演会が開催され、内田雅夫研究開発推進室長の司会で、副島廣海鉄道総研理事長の歓迎挨拶、宋KRRI院長、王CARS副院長の挨拶があり、それに引き続いて、3件の基調講演と12件の技術講演とが三ヶ国の研究者により行われました。
 副島理事長は歓迎挨拶の中で、発展が著しい東アジアにおいて、高速鉄道や都市鉄道の開発に重要な役割を果たしている三国の鉄道研究機関が一同に会して鉄道技術に関する知識や経験を交換するために非常に良い機会であると述べました。また、宋院長は日中韓を始めとする国際協力の重要性を強調するとともに、韓国において350km/h運転を目指した列車の開発やLRTの開発を進めていることを紹介しました。最後に王副院長は中国の第十次五カ年計画において東西・南北それぞれ8路線の高速化を計画していることなど中国の現状を紹介するとともに、次回のセミナーを北京で開催することを約束しました。
 11日にはテクニカルツアーが開催され、北陸新幹線の試乗と沿線施設の見学、新幹線総合司令所とニュー新幹線総合システム:COSMOSの見学、都営地下鉄大江戸線木場車両検修場の見学を行いました。
 日中韓それぞれ鉄道を取り巻く環境には違いがあるものの、今回のセミナーを通じて、鉄道総研が提案している「サイバーレール」と同様のコンセプトを中国も「RITS」として計画していることや、韓国が都市鉄道の標準化に取り組んでいることなど、お互いに共通する点もあることがわかり、有益な交流が出来ました。
 なお、来年の9月に、北京の中国鉄道科学研究院において第3回のセミナーが開催される予定です。


写真 セミナーを終え議事録確認等の署名を行う代表者
(写真左から順にKRRI、CARS、鉄道総研)



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