平成16年度 文部科学大臣賞【創意工夫功労者】

受賞業績:ゴム製主軸ばね評価用二軸性能評価試験機の考案
受 賞 者:鈴木 実(すずき みのる)
 
【業績】
  鉄道車両の走行安定性や乗り心地などに影響し、重要な部品である主軸ばね用円錐積層ゴム(以降は円錐ゴムと称す)は、車両の上下方向(Z方向)、レール方向(X方向)及びまくらぎ方向(Y方向)の振動を抑制する部材である。このように3方向の異なる振動を同時に受ける材料にもかかわらず、これまでは一方向のみのばねとしての静的な評価が中心であった。円錐ゴムの開発や劣化判定においては、実車両における円錐ゴムの使用条件を考慮した評価が望まれていた。そこで、氏は、円錐ゴムの動的な特性評価において、実使用条件に近づけるために、円錐ゴムのZ方向に任意の垂直荷重(車両における積載条件を考慮)を負荷しながら、X方向またはY方向の動的な特性を評価できる二軸性能評価試験機を考案した。
  考案した二軸性能評価試験機を用いることにより、挙動が不明であったZ方向の荷重に対するX方向またはY方向の動的性能を定量的に評価することができるようになり、実車に近い条件での動的評価が可能となったことで、新たな円錐ゴムの開発や劣化挙動の解明などの研究開発の推進に大きく貢献している。

 
【受賞コメント】
  この度、「ゴム製主軸ばね評価用二軸性能評価試験機の考案」で文部科学大臣賞 創意工夫功労者を頂くことができました。身に余る賞をいただけたのも、研究テーマに恵まれた上,日頃よりお世話になっている皆様のご支援とご協力があってのことと大変感謝しております。受賞を機に奢ることなく、今後とも精進して参りたいと思います。


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