新しい橋梁下部工健全度診断システム「IMPACT III」

平成16年8月20日
財団法人 鉄道総合技術研究所

 橋梁下部工診断支援システム「IMPACT」は、衝撃振動試験試験のサポートシステムとして、鉄道総研がオリジナル開発した診断システムです。
 鉄道においては、橋梁下部構造物の健全度診断法として「衝撃振動試験」が活用されています。この試験法では、健全度指標として下部構造物の固有振動数に着目し、この値の大小によって健全度を定量的に評価していますが、「IMPACT」システムは現場における衝撃振動試験および解析・診断業務を効率良くサポートし、現場で直ちに健全度診断が可能なシステムとして作られました。
 鉄道総研では、「IMPACT」システムの一号機「IMPACT I」およびその改良版として「IMPACT II」の開発を手掛け、これまでに50台を越えるシステムを鉄道会社および構造物調査会社の方々に活用して頂いてきています。
 今回、更なる使用性の向上をコンセプトに「IMPACT III」を開発しました。このシステムの特徴は、システムの無線化と使用性の高い解析ソフトにあります。
 衝撃振動試験においてセンサーとシステム本体間のケーブルの取りまわし作業は意外に煩わしく、作業時間を要してきていました。今回、ケーブルレスとしてシステムを完成させたことで、試験時間の短縮化が図れることとなりました。
 また、解析ソフトのバージョンアップにより、計測メニューの充実および操作性の大幅な改善が図られました。
 このように「IMPACT III」の開発によって、衝撃振動試験は大幅に省力化されたと言えます。
 今後は、鉄道に限らず道路構造物および建築物等様々な分野への適用も考えています。

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IMPACTを使用した健全度調査の流れ


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IMPACT IIIの概念図


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IMPACT IIIの全体写真




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