トンネル内鉄バクテリア汚泥抑制薬剤
"アイアンバスター"の商品化について

平成17年11月24日
財団法人 鉄道総合技術研究所
株式会社ジェイアール総研エンジニアリング

 財団法人鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市、理事長:秋田雄志)、株式会社ジェイアール総研エンジニアリング(東京都国分寺市、代表取締役:立松英信)は、トンネル内の排水溝等の流水障害を引き起こす鉄バクテリア汚泥の発生を抑制させる薬剤を開発し、販売を開始しましたのでお知らせします。
 鉄バクテリア汚泥は、トンネル側壁の漏水箇所にしばしば発生する茶褐色の寒天状汚泥で、地中に生息していた鉄バクテリアが漏水に伴ってトンネル側壁表面に堆積したものです(別紙参照)。この汚泥は、トンネル内の美観を損なうばかりでなく、堆積量が増すと排水障害を引き起こしてトンネルの維持管理にも影響を及ぼすものです。従来、この汚泥の除去は、定期的な清掃で対処してきました。今回お知らせする鉄バクテリア汚泥抑制薬剤「アイアンバスター」は、殺菌成分を含む棒状の薬剤で、石鹸のように水に触れると徐々に溶け出して薬剤を放出する性質(徐放性)があります。鉄バクテリア発生箇所を清掃後、この薬剤を設置すると、漏水によって溶け出した殺菌成分が鉄バクテリアを死滅させ、汚泥の堆積を抑制します。薬剤の効果は、漏水量によっても変化しますが、3ヵ月程度持続し、汚泥の清掃業務を軽減します。
 なお、「アイアンバスター」の販売に関する問い合わせは、鉄道総研の協力会社である株式会社ジェイアール総研エンジニアリング(材料技術事業部、042-501-2648)へお願いします。

鉄バクテリア:
 水中に存在する鉄イオン(Fe2+)を酸化させることによって増殖し、不溶性の鉄化合物を体(細菌)の表面や体内に沈着させて、多量の汚泥を発生させるバクテリアの総称。
 このバクテリアは、地下構造物中の湧水や漏水中の鉄分を濃集して、多量の茶褐色汚泥を生じさせます。この鉄バクテリア汚泥は、直接構築物を侵食したりすることはありませんが、発生した茶褐色汚泥が排水溝を詰まらせ、流水障害など設備に影響を及ぼす場合があります。そのため、定期的な清掃によって汚泥を取り除く作業(頻度はまちまち)が行われています。今回お知らせした薬剤を清掃後設置し、定期的に補充すれば専門の業者による清掃作業の回数を大幅に減らすことが可能になります。

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トンネル側壁に堆積した
鉄バクテリア汚泥
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鉄バクテリア汚泥抑制薬剤
”アイアンバスター”

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清掃・設置前の状況
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清掃・設置後90日経過
アイアンバスターの効果



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