鉄道総研は、財団として発足してから今年で20年を迎える。皆さんの先輩はJRをはじめ多くの組織と連繋して、優れた業績を残し、組織や個人としても社会に貢献できる、信頼される今日の鉄道総研を築いてきた。しかし、社会環境が大きく変化しており、また、技術の進展が急速である。このような中、鉄道総研が今後とも鉄道の技術革新をリードしていく中核として、社会の期待に応えて行くには更なる努力が必要である。それには、技術ポテンシャルを更に高めることはもとより、交通システム全体という社会的な視点で、技術革新にチャレンジしていくという必要がある。
皆さんは鉄道総研の研究開発を志望し、今日からその一員となった。そこで、鉄道の先輩として、要望というかアドバイスを二点述べる。
鉄道には、まだまだ研究開発の種がある。一点目として、5年以内に、それぞれの技術分野の専門家になり、15年程経った頃には、「この技術では誰にも負けない」という第一人者に是非なってもらいたい。志を高く、気概をもって日々の活動に取り組んでほしい。二点目としては、鉄道総研は世の役に立つ研究開発を行う機関であるが、学会発表等も積極的に行い、できるだけ若いうちに学位を取得するように努力してほしい。
一日も早く、鉄道総研の生活に慣れ、活躍されることをお願いし、入社式にあたっての挨拶に代える。
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