WCRR2006が開催されました

平成18年 6月19日
財団法人 鉄道総合技術研究所

 去る6月4日から6月8日にかけて、カナダ・モントリオールのフェアモント・クイーンエリザベスホテル会議場において第7回世界鉄道研究会議(WCRR2006)が開催されました。今回のWCRRは、「Progressing Together」をテーマに鉄道システムの持続的発展に関連した研究発表を中心に、カナダ及び米国の鉄道関係団体が共催し、カナダ国立研究委員会(NRCC:National Research Council Canada)が事務局となって開催されました。
 事務局の発表による参加者数は、世界41カ国から約750名にのぼり、日本からはJR関係者を中心に89名が参加しました。全発表論文件数は288件で、口頭発表は203件(日本=30件)、ポスター発表は85件(日本=17件)でした。発表内容は、ネットワーク輸送力、設計と信頼性、システムの最適化、安全性、環境問題など多岐に渡っており、中でも、日本からの参加者の発表は質が高いと評価されていました。会議は論文発表ばかりではなく、参加各国の鉄道界の首脳による基調講演やパネルディスカッションが行われ、参加者は会議テーマに関する世界の動向や取り組みを知る機会も得られました。
 また、同時に開催された展示会には、45の企業・団体が参加し、日本からは鉄道総研が提供したJRブースのほか、三菱電機梶A積水化学梶A潟eスが出展しました。
 6日の基調講演では、「鉄道システムの輸送力、効率、サービス水準の最適化の機会」というテーマで主要国の鉄道事業者の講演が行われ、日本からは、JR東日本の石田義雄取締役副会長が「鉄道事業者による技術革新の必要性や研究開発の方向性について」と題した講演を行いました。6日の夜には、会場近くのウィンザー駅で公式晩餐会が行われ、列車制御・計画、車両、安全・ヒューマンファクター、環境、設計と信頼性、インフラ、車両−軌道システム、議論つきポスター発表の中から各1件、計8件の優秀論文賞が授与されました。日本からは、鉄道総研車両制御技術研究部主任研究員の川口清が発表を行った「貨物列車用車輪滑走防止システム」に対して、車両の分野での優秀論文賞が授与されました。
 7日の最終セッションでは、鉄道総研理事長の秋田雄志が「将来の鉄道へ向けた研究開発の戦略」と題した講演を行い、会議は閉幕しました。
 なお、次回のWCRRは2008年5月に韓国・ソウルで開催されることが決まりました。

【参考】
 WCRRは、日本の鉄道総研のほか、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国、韓国の鉄道関係者からなる組織委員会によって運営されています。

 
 



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