【技術成果の内容】
- 開発の経緯
電車のブレーキでは架線への電力回生が行なわれますが、近傍に他の電車がいない場合には、回生ブレーキがかからない「回生失効」が生じ、機械ブレーキが動作します。そこで、バッテリーを車載することで回生失効を防止し、エネルギーを無駄にせず回収し再利用することで省エネにできると考え、架線とバッテリーの電源ハイブリッド電車を開発しました。
また、開発した電池を用いて、架線レス運転できる車両と充電方式を開発しました。
- 技術成果
600V、72kWhのリチウムイオンバッテリーを用い、電車搭載システムとして開発しました。
集電電力と蓄電電力の電源ハイブリッド主回路と制御を新規開発し、架線ハイブリッド電力変換器を実現しました。
架線とバッテリー電力の協調制御で、加速時使用エネルギーの40%以上を回生再利用できるようになりました。
停車中に剛体架線からの急速充電(バッテリー充電電流1000Aで1分間)が行えることを確認しました。
バッテリーのみで25km以上の走行が可能であることを確認しました。
既存インバータ電車に比べて10%以上の省エネを実現し、降雪寒冷環境下でもバッテリー駆動できることを実証しました。
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写 真: |
架線・バッテリーハイブリッドLRV「Hi−tram(ハイ!トラム)」 |
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[日本産業技術大賞 審査委員会] |
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委 員 |
相澤 益男 氏 |
総合科学技術会議議員 |
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委 員 |
青江 茂 氏 |
宇宙開発委員会委員 |
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委 員 |
三谷 浩 氏 |
建設業技術者センター理事長 |
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委 員 |
野依 良治 氏 |
理化学研究所理事長 |
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委 員 |
北澤 宏一 氏 |
科学技術振興機構理事長 |
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委 員 |
小野 晃 氏 |
産業技術総合研究所副理事長 |
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委 員 |
山本 隆彦 氏 |
新エネルギー・産業技術総合開発機構副理事長 |
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委 員 |
井上 明久 氏 |
東北大学総長 |
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委 員 |
藤田 明博 氏 |
内閣府政策統括官 |
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委 員 |
坂田 東一 氏 |
文部科学審議官 |
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委 員 |
鈴木 正徳 氏 |
経済産業省産業技術環境局長 |
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委 員 |
千野 俊猛 氏 |
日刊工業新聞社社長 |
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「日本産業技術大賞」は1972年(昭和47年)に創設された表彰制度で、その年に実用化された革新的な大型産業設備・構造物や、先端システム技術の開発、実用化で顕著な成果をあげた企業・グループを表彰し、産業界や社会の発展に貢献した成果をたたえるとともに、技術開発を奨励することを目的としています。
主催は日刊工業新聞社であり、関係省庁、学識経験者で構成された審査委員会によって、受賞技術が選考されました。
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