公益財団法人鉄道総合技術研究所は、平成23年度 創立記念日記念式典を下記の通り開催しましたのでお知らせいたします。
日 時 | 平成23年12月9日(金) 9:30 〜 11:40 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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場 所 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 国立研究所 講堂 | ||||||||||||||||||||||||||||||
式 次 第 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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【会長挨拶 要旨】 |
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今年は、鉄道総合技術研究所が発足してから四半世紀25年という意味でも、公益財団法人としての初年度という意味でも、記念すべき年であるといえます。また、JR採用の職員が研究活動の中核を占めるようになり、次の四半世紀の出発点と考えるべきかもしれません。この25年間の鉄道総研の研究開発という点では、山梨実験線での超電導磁気浮上式鉄道の実用性の実証、無線を使った列車制御システムの開発、新幹線の高速化への貢献など枚挙に暇がありません。しかし実用化までの道としてみると、総研での研究開始からATACSが仙石線で運用されるのに25年かかっているように、鉄道技術の開発は長期的な作業といえます。このような研究開発を支えるには長期的な展望が必要であり、これからの25年を考えるために時間断面で切って25年間を対比してみます。 鉄道事業の側で言えば、25年前は新幹線の総延長は約1800km、車両は100系が本格的に導入されようとしていましたが、現在では九州・北海道まで広がり、総延長約2400kmとなり、車両も直流から交流駆動に変わり、最高速度も300km/h運転の時代に入りました。鉄道全体としての需要も2割増し、LRTをはじめとした都市交通の充実も進んでいます。社会の方はこの間に更に急速に変化しています。ICT(情報通信技術)だけで見ても、1985年当時にはNEC PC9800が主流の世界にWindowsが発売になり、NTTはショルダフォンという3kgの携帯電話を市場に投入しましたが、1990年に入って加入者が100万程度であったものが、数年前には1億を超え、3Gの時代に入っています。 これからの25年では鉄道や鉄道総研の研究開発はどのように進めてゆくことになるのでしょうか。社会全体としてはイノベーションの創出が強く求められており、基礎分野で既に得られている技術シーズをいかに産業として具現化してゆくかが課題です。市場競争の激しい自動車の世界では、HEV(ハイブリッド電気自動車)やEV(電気自動車)における電池技術、そのための非接触給電、衝突防止や周辺監視など安全確保のための自動化が既に市場製品レベルで用いられ、これらの発展形として、鉄道に近いより大型のBRT(バス高速輸送システム)や貨物用のGigaliner(超大型トラック)も試みられ、更に誘導走行の実験も行われています。鉄道自体もイノベーションを進めてモビリティの市場でより魅力のあるサービスを提供できないと、産業社会での魅力を欠くことになり、持続可能性を失って行くかもしれません。 鉄道システムでの実用化のペースは時間を要するものですから、産業分野での技術革新の速度に対応して行くためには、研究所の役割としては、可能性のある技術の情報をより早く、より広く収集して、新しいシステムコンセプトの構築や製品の技術的可能性を立証するなど、産業と事業者の間の橋渡しを時宜に応じて即応性を持って進めて行くのが大切だと考えます。私自身の専門分野のみで見ても、鉄道総研の持つ電池、非接触集電、超電導応用などの技術はすぐにも新しい鉄道のコンセプトにつながり、イノベーションを導くと考えられます。 ヘルマン・ヘッセが「デミアン」の中で述べているように「鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。」のであって、研究開発では新しい世界を夢見て既存の殻を破る努力が常に必要です。次の四半世紀に向けて鉄道総研の研究者の皆さんがよりアグレッシブな研究集団として技術革新に取り組むことを期待しています。 |
1.研究開発成果賞 | |
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件 名 | 高性能振子制御用空気圧アクチュエータの開発 |
受賞者 | 車両構造技術研究部 走り装置 副主任研究員 風戸 昭人 車両構造技術研究部 車両振動 主任研究員 鴨下 庄吾 車両構造技術研究部 走り装置 研究員 山長 雄亮 |
概 要 | 制御付き振子車両の乗り心地を改善するとともにコスト低減と保守性の向上を達成しJRでの実用化に結びつけた。 |
件 名 | 画像情報に基づくパンタグラフ接触力測定手法の開発 |
受賞者 | 鉄道力学研究部 集電力学 副主任研究員 小山 達弥 JR東海(元 鉄道力学研究部 集電力学) 中村幸太郎 鉄道力学研究部 集電力学 研究室長 池田 充 |
概 要 | パンタグラフへのセンサ組み込みが不要な非接触のパンタグラフ接触力測定手法を開発した。 |
件 名 | 高周波振動に適応した乗り心地フィルタの改良 |
受賞者 | 高周波振動乗り心地グループ(5名) |
概 要 | 乗り心地フィルタの高周波域の形状を改良し、高速化に対応した新しい乗り心地フィルタを提案した。 |
2.業務成果賞 | |
件 名 | 歯車装置損傷に関する調査 |
受賞者 | 歯車装置調査グループ(8名) |
概 要 | 鉄道総研の総合力を活かし迅速な対応と的確な分析による原因の推定ならびに適切な未然防止策を提案した。 |
件 名 | 台湾高速鉄道の地震時脱線の調査協力 |
受賞者 | 台湾高速鉄道脱線調査グループ(9名) |
概 要 | 高度な調査解析技術を駆使し高速鉄道の地震に対する安全性に関する鉄道総研の技術力を国外に示した。 |
3.研究開発成果褒賞 | |
受賞:5件、対象者:21名 | |
4.業務成果褒賞 | |
受賞:4件、対象者:19名 | |
5.研究開発奨励賞 | |
件 名 | 粒子画像流速計測法を用いた空力音源の実験的評価手法の開発 |
受賞者 | 環境工学研究部 騒音解析 副主任研究員 宇田 東樹 |
件 名 | 粒子法による地盤の大変形、流動解析手法に関する研究 |
受賞者 | 構造物技術研究部 基礎・土構造 研究員 阿部 慶太 |
6.成果功労賞 | |
件 名 | 公益財団法人への円滑な移行 |
受賞者 | 法人改革ワーキンググループ(11名) |
件 名 | 第10回 鉄道騒音国際ワークショップの開催 |
受賞者 | IWRN10実行グループ(40名) |