「鉄道の震災復旧・復興に向けた技術提案」について

 公益財団法人鉄道総合技術研究所(以下、鉄道総研)は、東北地方太平洋沖地震による被災状況を踏まえ、鉄道の復旧・復興に活用していただくことを目的に、具体的な構造・工法やシステム技術を、「鉄道の震災復旧・復興に向けた技術提案」として取りまとめ、公表することとしましたのでお知らせいたします。

 東北地方太平洋沖地震による地震動や津波により、鉄道施設にも甚大な被害が発生しました。鉄道総研では、以前より地震に対する安全性向上に向けた研究開発や、低コスト・省エネルギーに配慮した鉄道システムの構築に取り組んできました。そこで、急務である鉄道の復旧・復興を支援する目的で、鉄道総研が主体となって開発し、現時点で直ちに活用できる実用技術を中心に、@鉄道施設の復旧・復興と耐震化技術、A信号システム、Bバッテリー駆動電車・LRTシステム、の三項目を対象として、具体的な構造・工法やシステムなどを取りまとめて冊子にしました。
 なお、取りまとめは鉄道総研内に「鉄道の震災復旧・復興への技術提案検討チーム」(主査:専務理事 熊谷 則道、副主査:理事 市川 篤司)を設置して行いました。
 取りまとめた冊子の構成と概要は以下の通りです。

第1章:はじめに
第2章:東北地方太平洋沖地震による鉄道被害
 鉄道被害の概要と復旧・復興に向けた方向性と課題を整理しました。
第3章:鉄道施設の復旧・復興と耐震化技術
 鉄道施設の被災状況のほか、今後予想される大地震を踏まえ、構造物の津波被災地区の復旧・復興および既設構造物の更なる耐震化を図るための技術をまとめました。
第4章:復興に向けた信号システム技術
 災害に強く低コストで効率的な信号システムとして、無線を利用した列車制御システムに関する技術を紹介しました。
第5章:省エネルギータイプのバッテリー駆動電車・LRTシステム
 新たな街づくりとの連携を考慮した省エネルギータイプのバッテリー駆動電車や、高台の街への小規模輸送にも適したLRTシステムを紹介しました。
第6章:まとめ