粒子法による大変形地盤解析システム
「MPMSOIL−3D」を開発しました
- 平成25年 4月11日
- 公益財団法人鉄道総合技術研究所
公益財団法人鉄道総合技術研究所(以下、鉄道総研)では、粒子法による大変形地盤解析システム「MPMSOIL−3D」を開発しましたのでお知らせします。
近年、巨大地震や集中豪雨による鉄道沿線などでの斜面崩壊・液状化など、地盤の大変形(注1)、崩壊に関わるリスクについて関心が高まっています。しかし、有限要素法(注2)を用いた地盤の変形解析では、地盤の大変形、崩壊には対応が困難でした。
本解析システムは、斜面崩壊のような地盤の大変形が解析できるよう、粒子法を地盤に適用して開発された解析手法(注3)を用いた解析システムです。東京大学生産技術研究所・小長井一男教授の指導のもと、鉄道総研が開発した粒子法を用いた解析手法をベースとし、地盤の大変形・崩壊挙動の解析が可能で、地震時の斜面崩壊や液状化などの大変形解析が行えます。また、斜面の崩壊と崩壊土砂の飛散を一連でシミュレーションすることができます。
本解析システムは、富士通エフ・アイ・ピー株式会社との共同開発で、3月26日より販売を開始しております。
- (注1)地盤の大変形:土砂崩れを引き起こすような、地盤の大規模な変形をいいます。
- (注2)有限要素法:
複雑な形状・性質を持つ物体を単純な小部分に分割することで近似し、全体の挙動を予測しようとするものです。汎用性があり応用範囲が広いため、地盤解析をはじめとして広く使われています。
- (注3)粒子法を地盤に適用して開発された解析手法:
粒子法(MPM: Material Point Method)は、水や空気などの流れを粒子の動きで表す手法です。粒子法を地盤に適用して開発された解析手法では、地盤を粒子で表し、地盤の大きな変化や土砂の飛散を扱うことができます。

- 図 粒子法による大変形地盤解析例
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