平成25年度文部科学大臣表彰の受賞について

公益財団法人鉄道総合技術研究所の職員が文部科学大臣表彰を受賞しましたのでお知らせいたします。

なお、表彰式は、4月16日(火)12時10分から文部科学省講堂(東京都千代田区)において行われました。

平成25年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞

受賞業績:擁壁の地震時挙動および地震時変位評価モデルの研究
受 賞 者:構造物技術研究部
基礎・土構造研究室 副主任研究員
なかじま すすむ
中島 進

受賞業績等と受賞者からのコメント

受賞業績:擁壁の地震時挙動および地震時変位評価モデルの研究
受 賞 者:中島 進(なかじますすむ 公益財団法人鉄道総合技術研究所)
【業績】

過去の大地震で、社会基盤施設を支持する無補強のコンクリート擁壁が甚大な被害を受けてきた。こうした被害を未然に防ぐための補強事業を進めるには、擁壁の地震時挙動評価モデルを構築する必要があった。

そこで、振動台実験や過去の地震被害事例を分析し、擁壁の基礎地盤・裏込め土の変形により擁壁の地震時挙動が変化することに着眼した。擁壁および地盤のマクロ的な挙動とともに、土要素の挙動を要素試験結果によりモデル化し、両者を組み合わせることで、擁壁の地震時変位評価モデルを構築した。提案モデルの妥当性は振動台実験や地震被害事例の評価を通じ立証した。

本研究成果は、コンクリート擁壁と地盤の相互作用を簡便な手法でモデル化したものであり、他構造物への応用とともに、土構造物の耐震設計技術の進展に貢献しうるものと期待される。

【受賞コメント】

本受賞は、鉄道・道路・宅地盛土などを支える土留め擁壁の地震時変位評価モデルに関する研究であり、無数に存在する社会資本ストックである既設土構造物の耐震診断に役立つものです。

大学院時代からこれまで自由な議論が出来る研究環境のもと、有意義な助言を下さった恩師、諸先輩、同僚の皆様に後押しされた研究成果であると認識しております。今回の栄誉を励みとし、一層の精進を重ね、安全な社会基盤施設の構築や老朽化が進む施設の維持管理のために、引き続き微力ながら努めて参る所存です。

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中島 進
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写真 平成25年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰
若手科学者賞を受賞した 中島 進