永久磁石同期機を用いた全閉形主電動機

低騒音、省保守、省エネルギーの同時達成を目指し、現在、在来線電車用主電動機に多く用いられている自己通風式誘導電動機に代わる全閉形主電動機を開発しました(図1)

全閉形主電動機は、フィルタや内部の清掃が不要で保守を省力化でき、遮蔽効果により低騒音化が期待できますが、温度上昇対策が課題となります。そこで、高効率な永久磁石同期電動機方式を採用し、効率の向上(誘導電動機の92%程度に対し97%)により低発熱化、消費電力削減を図るとともに、冷却構造の工夫(図2)により、従来の主電動機と同等の寸法重量で同等の出力を確保しながら各部の温度上昇を限度内に収めることができました。出力については2001年度までに開発した主電動機では1時間定格出力200kW(図1左)、2006年度までに開発した主電動機では同270kW(図1右)を達成しており、在来線電車の主電動機としては最大級の出力を達成しています。

低騒音化効果について定置試験により確認したところ、自己通風式誘導電動機と比べて、高速域での騒音が約7dB低減できることが分かりました(図3)。

また、消費電力削減効果を評価するため、在来線直流電車を想定した走行シミュレーションを行った結果、走行時の主電動機損失は自己通風式誘導電動機に比べて半減し、消費電力量は約1割減少するという結果が得られました(図4)。

今後は低騒音・省保守・省エネの主電動機として実用化と普及を目指していきたいと考えています。

  • 図1 試作機外観
  • 図2 開発した全閉形主電動機の冷却構造
  • 図3 定置での騒音測定結果
  • 図4 消費電力計算結果例

参考文献

  1. 近藤稔・川村淳也:床下走行風分布を考慮した全閉形主電動機の温度上昇試験法,鉄道総研報告,第21巻7号,pp.35-38,2007