4.開削トンネル用接着性先防水シート

 地下鉄などの開削トンネルは地下水位以深に構築されるため、十分な水密性が得られるように防水工が施されます(図1)。しかし、従来の防水工では十分な防水効果が期待できず、漏水によってトンネル内の諸設備が被害を受けることがあるため、より効果的な防水工が切望されていました。そこで、特殊樹脂により躯体コンクリートと化学的に強固に接着することを特徴とし、水密性、施工性に優れた接着性先防水シートを開発しました。
 開発したシートは4層構成で(図2)、特にコンクリートとの接触面には接着性ポリマーを結合させた特殊EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)樹脂を用いて水密性を高めました。また、シートは従来品に比べて軽量なため取扱いが容易で施工性に優れており、シート間の接合も簡単です。
 室内性能確認試験において、水頭差50m相当の高水圧下でも十分な水密接着性を確保し、幅約6mmのコンクリートクラックに対しても破断せずに十分な追従性を有することを確認しました(図3)。また、現場施工試験において、コンクリート打設時のシート破損もなくコンクリート躯体と全面接着して実用可能なことを確認しました(図4)。

図1 開削トンネルにおける防水工
図2 シートの構成と規格



図3 シートのひび割れ追従性試験

図4 シートの現場施工性確認試験



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