12.車両運用計画自動作成アルゴリズム

 現在、車両運用計画は、経験を積んだ専門家によって、手作業主体で作成されており、数日から数週間という時間を要しています。近年、輸送計画改善のペースが加速し、それに伴って、自動作成機能をもったシステムを導入して運用計画作成作業の効率を向上することが求められています。
 与えられた列車ダイヤに対して、車両運用計画を作成する場合、定められた日数以内に、定められた車両基地・時間帯で検査ができるような計画とする必要があります。その上で、編成両数、検査回数、回送列車の総走行距離などをなるべく少なくすることが求められます。しかし、これまでは、検査の制約の難しさから、実用に耐える計画を自動作成することはできませんでした。本研究では、確率的局所探索および制約論理プログラミングという手法を用いて、車両運用計画を自動的に作成することができる二種類のアルゴリズムを開発しました。
 二つの線区について実データを用いた検証を行った結果、いずれのアルゴリズムも担当者の作成するものと遜色のない計画案を短時間で作成できることを確認しました(図1)。また、計算時間が列車本数より列車の種類の多さ(線区の複雑さ)に、より大きく依存することもわかりました。
 今後、更に複雑な線区に対しても迅速に解を出せるように改良し、両アルゴリズムの適用性について比較検証を行って、実用性を高める予定です。

図1 二種類のアルゴリズムの実行結果


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