13.図面生成とモバイルインターネットを活用した設備管理システム

 近年、鉄道事業者各社において、設備管理システムの構築が進められています。鉄道設備の保守管理業務に必要な情報は、設備台帳、各種図面、写真、マニュアル、検査データ等、多岐にわたりますが、これらを統一的に管理する手法を確立するために、鉄道総研で考案した設備記述言語(FDL)を用いた図面生成方式を開発してきました。
 従来の方式では、系統毎に独立した構成となっていましたが、保守管理の効率化と、図面生成の有用性を高めるため、軌道構造(レール、まくらぎ、道床)、土木構造物(土留壁、のり面、下水渠)、電車線等、複数系統にまたがる設備図面を一画面に表示できるように改良し、図面生成システムの統合化を図りました(図1)。また、図面生成情報入力の操作性向上のために、パソコン画面上から直接データを入力することによって台帳データベースへの登録ができるようにしました。

図1 統合型設備管理システムでの出力画面

 また、携帯電話、PDA(個人用携帯情報端末)等のモバイルインターネット機能を用いて設備検査データ入力を行う、モバイル設備管理システムも併せて開発しました(図2)。このシステムは、インターネット上のWebページを通して現場と事務所とが通信を行うもので、以下の特長を持ちます。
(1)設備台帳や検査項目等のコンテンツと、不良状況(損傷、変状)等の検査データを管理するサーバを分離しました。
(2)携帯電話による不良状況等の入力をキーで選択する方式とし、文字入力を少なくしました。
(3)現場で入力したデータは、リアルタイムでデータベースに登録され、管理者は事務所にいながら作業状況を把握できます。
 本システムは、鉄道事業者で一部実用化されました。今後は、検査計画等の機能も加えた、設備管理・保守検査支援統合化システムを提供していきます。

図2 携帯電話を活用した情報管理のイメージ


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