発生騒音の低減、保守の省力化等を目的として、現在、在来線電車用主電動機に多く用いられている自己通風冷却方式に代わる全閉式の主電動機を開発しました(図1)。
全閉式主電動機は、外部から機内への冷却風の導入を行わないため、フィルタや内部の清掃が不要で保守を省力化でき、遮蔽効果により低騒音化が期待できますが、温度上昇対策が課題となります。
そこで、回転子に永久磁石を使用した同期電動機方式を採用し、効率の向上(誘導電動機の92%程度に対し97%)により低発熱化、消費電力削減を図るとともに、冷却構造の工夫により定格点において各部の温度上昇を限度内に収めることができました(図2)。自己通風冷却式と比べて、騒音は約10dB低減し(図3)、寸法、質量は同等となりました。
今後は低騒音・省保守の主電動機として実用化を目指していきたいと考えています。

図1 試作機外観
図2 試作機縦断面図
図3 主電動機単体の騒音測定結果
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