3.振動遮断工の防振効果評価手法

 鉄道沿線の地盤振動対策として、地盤内に溝や地中壁を設けて振動を遮断する工法が実施されていますが、地盤条件や地中壁の規模、材質等の諸条件が複合的に影響するため、防振効果を定量的に評価する方法は確立していませんでした。
 そこで、地盤構造と発生する地盤振動の関係を定量的に評価するため、地中壁による波動の透過・回折現象を解析する手法を構築しました。この手法では、地盤構造、地中壁の規模(深さ、厚さ、施工延長)および材質(密度、弾性定数、減衰定数)等をパラメータとして、その防振効果を定量的に算定することができます。この手法を、過去に実施した模型実験や現地試験結果(20例程度)に適用してその妥当性を検証したところ、実測の防振効果をほぼ再現できることが分かりました(図1)。
 本手法は、有限要素法などの数値シミュレーションに比べるとはるかに簡便であり、振動対策として振動遮断工を計画・設計する際に有用な手法です。




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