2.気象庁データを活用した地震防災システム

 より高性能な地震防災システムの開発が望まれるようになり、新しい早期地震警報システムおよび運転再開支援システムなどから構成される地震防災システムを開発しました。
 早期地震警報システムについては、P波初動部から新しいアルゴリズムによって地震を検知する早期警報用地震計(図1)を開発し、地震諸元推定の高精度化を図りました。また、このシステムを用いた鉄道事業者独自の地震観測情報と、気象庁の即時地震情報(ナウキャスト地震情報)の双方を活用して、地震発生時に列車運行を制限することが可能です。
 運転再開支援システムは、地震直後に巡回検査を必要とする区間をいち早く判断するための支援システムです。このシステムは気象庁が配信を計画している地震後の面的推計震度情報(約1kmメッシュごとの震度を地震発生後5分程度で配信)から鉄道沿線の震度分布を抽出することで、地震計が配置されていない区間の震度情報が得られます。さらに、高架構造物の固有周期、降伏加速度と地震動の卓越周期、最大加速度から高架構造物の被害ランクを簡易に推定する方法(図2)を考案するとともに、この方法を組みこんだ被害推定システムを試作しました。
 現在、鉄道総研内に構築したプロトタイプシステム(図3)を用いて、常時稼働試験を実施してます。







HOME
RTRI ホームページ

Copyright(c) 2003 Railway Technical Research Institute,Tokyo Japan, All rights reserved.