6.直結系軌道用レール締結装置

 近年、乗り心地等を改善するため長波長軌道狂い整備手法が導入され、スラブ軌道区間で使用している直結4形レール締結装置では調整量が不足する場合があります。また、環境対策および軌道保守コスト縮減のため、D型弾直軌道など直結系軌道の採用が増加しています。そのため、より大きな上下および左右方向のレール調整が可能な直結系軌道用レール締結装置の開発が望まれていました。
 そこで、PCまくらぎ直結およびスラブ軌道等の直結系軌道に共用可能で、上下および左右方向のレール調整量が直結8形と同等以上、かつコスト面で有利なタイプレートの無い座面式の直結系軌道用レール締結装置を開発しました(図1、表1)。締結装置は球座六角ボルトと球面座金を使用して板ばねの姿勢変化に対応し、球面座金の下面のリブで球座六角ボルトの戻り回転に抵抗する構造としました。これにより、調整板Aで20mmまで、調整板Bで30mmまでのレール上下調整が可能で、上下調整量20mmまでは板ばねの姿勢変化で対応し、20mmを超える場合はばね受台も同時に扛上します(図2)。
 また、スラブ軌道における現在の締結間隔は625mmですが、耐横圧性能の向上とふく進抵抗力の向上に伴い、最近のコスト縮減のニーズを考慮し、715mmまで拡大できるようにしました。
 本締結装置を用いると、初期コストおよびレール調整にかかる保守費用を約30%低減させることが可能です。






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