7.軌道狂い保守スケジュール作成法

 線路保守作業では、効率的な作業計画法の確立が望まれています。軌道狂いについては、高速軌道検測車による軌道狂いの検測とその処理方法が確立されていますが、時系列的に推移するデータを用いて効率の良い保守を行うことのできる保守計画の作成方法の開発が課題でした。このことから、軌道狂い保守スケジュールの作成法を開発しました。
 本手法は、1年程度の軌道狂い保守計画の作成を対象としており、軌道狂い推移履歴データから軌道状態が悪い区間を選定し、軌道状態を最良化あるいは保守量を最小化するようなマルタイの各保守基地への配備計画と保守すべき区間を指定する保守実施計画を作成します。これまでは、計画作成担当者が経験に基づいて計画を作成していたため、多くの時間と手間を要していましたが、本手法によればパソコン上で容易に計画を作成することが可能です。特に、保守実施上の制約を具体的に考慮して計画を作成するため、実行可能性の高い計画が得られます。また、作成した計画に基づいて保守を実施した際の軌道状態の推移を予測できるため、その妥当性を確認した上で計画を決定できます。
 本手法を実際の線区データに適用した場合の試算によれば、従来並の保守量のままでも目標値を超過した高低狂いを約半減することができるという結果が得られました(図1)。また、本手法により作成した計画を保守現場で実施した結果、この試算結果を裏付ける改善が見られ、本手法の有効性を確認できました。




HOME
RTRI ホームページ

Copyright(c) 2003 Railway Technical Research Institute,Tokyo Japan, All rights reserved.