8.小型軽量化をはかった新幹線用電気転てつ機

 現在の新幹線用電気転てつ機として多く使用されているTS-M形転てつ機は大きく、重いため、運搬、取り替え作業に多大な手間がかかっています。そこで内部構造を大幅に変更し、小型軽量化した新幹線用電気転てつ機を新たに開発しました(図1)。新しい転てつ機の重量は285kgと、従来のTS-M形(重量430kg)に比べて、大幅に軽量化されており、在来線用のNS形電気転てつ機の重量(380kg)をも大幅に下回っています。また、従来のTS-M形転てつ機では、動作かんのストロークに応じてポイント転換力が変動するため、床板の油切れ等の場合、ポイント転換力が不足し、転換不能を起こす可能性がありました。これに対して新しい転てつ機では動作かんストロークによらず一定の転換力が確保できる構造としたため、転換不能が極めて発生しにくくなりました(図2)。さらに、新しい転てつ機は、取り付け方法、電気配線等を従来の転てつ機と同一とするなど、相互運用性を考慮した設計としたため、従来品を単純に置き換えるだけで簡単に設置することができます。
 営業線に設置して転換試験を約半年間実施した結果、鎖錠・解錠機能、転換機能等が所期の性能を満足すること、およびモータ、歯車機構等にも異常が見られないことが確認でき、実用化の目途が立ちました。




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