1.GPSと線形情報を併用した振子車両用地点検出システム

 現在の制御付振子車両用地点検出システムはATSの検出信号を基準にする方式ですが、この方式は常に最新の地上子位置を入力するために手間がかかり、また、滑走・空転に伴い速度検出器に誤差が生じたり、車輪径の設定が実際と異なっていたりすると、地上子位置との照合がうまくできなくなり、正常な振子制御を阻害する大きな要因になることがあります。
 こういった問題点を改善するために、地上設備に依存しない自立型走行位置検出システムとして、GPS(全地球測位システム)を利用した方法を開発しました。これは、@GPS測位データ、A線形情報の照合、B速度累積距離を利用するシステムの3方式(表1)を組み合わせることにより、トンネル内を含むどのような走行状態でも車両の走行位置を特定するものです。走行試験(図1)の結果、GPS測位のみによる地点検出方法では定点検出誤差が広範囲にばらつき、その最大値は約34mであったのに対し、3方式を組み合わせることにより約4m以下の範囲に収束し(図2)、現行システムより高い精度が確保できることを確認しました。






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