2.軌間可変電車の国内走行試験および台車改良の提案

 軌間可変電車の試験に関して、JR九州小倉工場での軌道短絡確認試験や分岐器通過試験、JR西日本新下関の試験基地で変換動作確認のための軌間変換試験、交直セクション通過試験、新幹線/在来線直通模擬走行試験、および日豊本線で在来線走行性能確認のための本線走行試験を行ないました。軌間変換回数は延べ1,558回です(図1)。
 本線走行試験では、速度向上試験(西小倉〜新田原)を行い、狭軌では最高速の130km/hまでの走行性が安定していることを確認しました。急曲線通過試験(別府〜大分)では、本則+15km/hまでの曲線を問題なく走行できることを確認しました。この試験で、軸距2.5mの軌間可変台車の本則以上での横圧性能等を明かにし、速度と横圧の関係等、次の改良台車の開発に活用するためのデータを得ました(図2)。本線走行試験での走行距離は延べ2,786キロになりました。
 走行試験と平行して、軸受け負荷を低減するための軸受けを小さくする構造、車両振動や軌道への影響を低減するためのばね下質量を小さくする構造等、台車改良の提案を行いました。
 2002年8月にフリーゲージトレイン技術研究組合が発足し、現在、組合の一員として軌間可変台車の性能向上などについて検討しています。
 軌間可変電車の開発は、国土交通省の指導のもと日本鉄道建設公団から受託して、実施しました。




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