4.変動風中の車両に働く空気力の評価

 車両に働く空気力を、現実の状況により近い状態で評価するために、強風地(北海道島牧)に実物大の高架橋模型と車両模型(図1)を設置し、車両模型に働く空気力を実測しました。また、実物大模型周辺における自然風の特性を調べ、これと同様な特性の変動風を米原風洞内に生成し(図2)、1/40縮尺の車両模型に働く空気力を測定しました。その結果、島牧の測定で得られた空気力係数の風向角特性が、自然風を模擬した風洞試験でほぼ再現できました(図3)。
 車両の転覆に大きく影響する横力係数は、風洞試験および島牧での実物大試験の結果から、車両直角方向の風では一様流中よりも変動風中の方が小さいことが分かりました(図4)。図4に示した風向角特性に対して車両の走行速度を考慮した転覆限界風速を試算すると、在来線の通常速度域の場合には変動風中の方が転覆限界風速は若干高くなるものと推定されます。なお、本研究は国土交通省補助金を受けて実施しました。



図1 実物大模型試験(北海道島牧)

図2 自然風を模擬した風洞試験 (米原風洞)



図3 空気力係数の風向角特性の一例

図4 一様流と変動風の横力係数




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