5.アクティブ赤外線法によるコンクリートの剥離検知

 コンクリート表面に光を照射して、強制的に温度差を生じさせ、剥離を検出するアクティブ赤外線法において、ハロゲンランプを用いる方法が実用化されています。しかし、この方法で検出される剥離検知の深さは10mm程度と小さく、また、光源からの距離が長い構造物には適用できませんでした。そこで、光源から照射面までの距離に応じた新たな光源を選定し、鉄筋かぶり部分の剥離が検出できるシステムを開発しました。
 室内試験の結果、照射光源の熱侵入性や集光性の観点から、トンネル覆工のように光源から照射面までの距離が近い場合には遠赤外線光源(図1)、高架橋のように遠距離の場合にはキセノンアークランプが適することがわかりました。遠赤外線光源を用いた場合には5秒間の照射で深さ50mm程度、キセノンアークランプの場合には20秒間の照射で30mm程度の深さの剥離検知が可能です。図2は高架橋における測定状況を示したものです。光の照射により、補修箇所や剥離箇所が明瞭に把握されました。



図1 遠赤外線光源とハロゲンランプの比較


図2 キセノンアークランプを用いたシステムと高架橋の測定例



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