6.全般検査に適用するトンネル健全度診断システム

 トンネルの全般検査は人手に頼っているために、多大な労力と時間を要していることや判定に個人差が出ることなどの課題を抱えています。これに対して、検査データの電子化やデータベース化の新技術は開発されていますが、健全度の判定は大部分を手作業で行っているのが現状です。
 そこで本研究では、トンネルの全般検査で得られる撮影画像や電子化された変状展開図等の検査記録ならびにトンネルの基本的な情報から、剥落に対する健全度と、外力・材料劣化等による変状に対する健全度を自動的に診断できるシステム(プロトタイプ)を開発しました(図1)。システムの開発にあたっては、鉄道総研で実施してきたトンネル模型載荷実験結果、変状トンネルに関するデータ等をもとにひび割れパターンを作成し、これをトンネルの状態と照合することにより、変状箇所の抽出と変状原因の推定を自動的に行うアルゴリズムを構築しました。本システムにより、全般検査の省力化が図られること、より精度の高い変状の分析が行えるなどの利点があります。さらに、打音検査装置や光ファイバを用いた変状監視システムなどの最新の検査技術をシステムに加えることが可能です。



図1 トンネル健全度診断システム概要図



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