8.利用者ディジタルATCに対応した運転曲線作成システム

 列車ダイヤ作成の基礎となる数値は基準運転時分と時隔です。前者は列車が速度制限を守って駅間を走行した場合の基準となる走行時間であり、後者は複数の列車が連続して走行する場合に確保すべき最小の時間間隔です。これらの計算は、長年人手で算出されましたが、近年、コンピュータによる計算が主流になりつつあります。
 最近、ディジタルATCが新幹線に導入され、在来線についても使用が開始されました。ディジタルATCの基準運転時分や列車時隔の計算アルゴリズムは、従来のATCと異なり複雑です。これは、ブレーキパターンの作成や列車時隔計算において、先行列車に対する接近可能距離が列車速度の影響を受け、多様に変化するためです。
 本研究では、これらの条件を考慮した運転曲線作成アルゴリズムを新たに考案し、実用的なディジタルATC対応運転曲線作成システムを開発し、多様な運転制約条件を迅速に検討できるようになりました(画面例 図1、図2)。
 なお本システムは、新幹線用運転曲線の作成、運転ナビゲーションシステムに用いる列車走行データの作成等で実用化されています。


図1  ディジタルATCの運転曲線例
(車両性能と線路条件を基に列車の速度を表す速度曲線と時間経過を表す時間曲線を作成し、基準運転時分を算出します。)

図2 ディジタルATCの時隔曲線例
(速度曲線と時間曲線を基に先行列車と後続列車との軌道回路境界での時間間隔から時隔を算出します)




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